「何のために科学や自然を学ぶのか」、そしてそのために「どんなことをどういう方法で学ぶのか」を考える時間が不足してはいないでしょうか。何かを実行するときに,何が適切かを判断するには目的論がしっかりしていなければなりません。環境問題の教育に関しては、教える側の科学的自然観がその目的論の重要なよりどころのひとつになります。そうした科学的自然観からみた環境問題の意義と興味深さを、環境教育・保健科教育・災害教育・情報教育・総合的な学習の時間などとの関連も含めて取り扱いたいと思っています。

そのことが、「何のために勉強するの?」という疑問に答えられるような姿勢を持てることをめざし、自分が何かをやりたいと思ったときにその気持ちを「カタチ」にかえられるようになるための学びを提供することにつながるのではないでしょうか。

また、過去の多くの人々が、今よりずっと自然豊かな環境で育ち、環境問題に関する知識もなかったわけではないのに、今日のような危機的状況が生まれてしまったことは、「人は論理や倫理だけでは動かない」ということを示していると思います。持続可能な未来を作る仲間を増やすためには、法則性や関係性に関する知識だけでなく、自然に関する感性的理解や共感が生まれるような、単なる自然体験だけではない教育が必要です。

私たちは、そういった視座から「人と自然をつなぐための実践的環境教育」を考えていきたいと思っています。

北海道教育大学岩見沢校 アウトドア・ライフコース
環境教育学研究室 教授
能條 歩